ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻に抗議する決議を、3月4日、長野市議会は開会直後に全会一致で採決する見込みです!! |
長野市議会の、もう一人の小泉氏から頼まれた。同姓のよしみがあるから、言うことは聞きたいが、小泉一真には引っかかるところがある。当初、「ロシアによるウクライナ侵攻に抗議し、平和的解決を求める決議(案)」の最終段落は、次の通りだった。
今回のロシア軍によるウクライナ侵攻は、ウクライナ東部で虐げられているロシア系住民を解放する「特殊軍事作戦」だというお題目を、ウラジーミル・プーチンは唱えている。
ロシア、プーチン大統領:「『ドネツク人民共和国』『ルガンスク人民共和国』との友好及び相互援助に関する協定に従い、私は特別軍事作戦を実施することを決定した。その目的はウクライナ政権の虐待と大量虐殺に8年間苦しんでいる人々を守ることである」
プーチンは、ウクライナに派兵したロシア軍を「平和維持軍」と僭称してもいる。
つまりプーチンによれば、ロシアの軍事行動は人道に従い、平和を希求したものなのだ。噴飯ものなのだが、こういうリクツはそんなに珍しくない。というか、かつて日本人も八紘一宇の理想に燃えて、虐げられたアジア諸国民を欧米の植民地経営から解放するという「正しい平和」を求め、大東亜戦争を戦った過去がある。コソボ紛争では、「人道的」介入の名の元、NATO軍がユーゴスラビアを空爆した。何れも、非戦闘員が巻き添えを食っている。
「平和」とか「人道」とか、人類が共通して求める高貴な価値が、「戦争」と絡むと、どうしてこうも胡散臭くなるのだろう。
そう思って、もう一度見てみる。
「政府におかれては、関係各国及び国際社会との緊密な連携により、平和的解決に向けた外交努力及びウクライナに対する人道支援に万全を期するよう強く求める。」
何だかキナ臭く見えてこない?
今はまだよいが、戦いが長引けばどうなるだろうか。ウクライナ防衛は正義の戦いで派兵は人道的なのだから、日本もやるべきだとの圧力が他国からくる未来は、絶対にありえないと言えるだろうか。
今はまだよいが、戦いが長引けばどうなるだろうか。ウクライナ防衛は正義の戦いで派兵は人道的なのだから、日本もやるべきだとの圧力が他国からくる未来は、絶対にありえないと言えるだろうか。
「非軍事分野における」と挿入!
小泉はウクライナを助けたいと思う。でも、ごめんなさい、そのために日本人の命を捧げる戦争は勘弁してほしい。憲法9条にも違反するだろうし、それ以外のことなら、がんばるから。そういう思いの国民は多いだろうし、人道支援といえば常識で非軍事に決まってるじゃんと思う。
一方でプーチンのように周到な準備をして戦争を始める狂ったリーダーはいるし、某国が決めたことには従わなくてはならないと思っている国もある。それも現実なのだ。だから「非軍事的分野」に限っての支援と、決議案に書き加えることには十分な理由がある。
しかし、もう一人の小泉市議から、「これで頼む」と言われてしまった。
まあ反対するのもロシアを喜ばせるだけだから、人道支援は非軍事という意味だと、本会議で討論してから賛成することに決めた。全会一致で波風立つことがないと、他の会派は思っているだろうから、びっくりさせないようにメモにして渡し、断りを入れておいた。
そしたら何と、議会運営委員会で小泉のメモに沿って発言し、修正を促す議員が現れた。小泉の方が、びっくりである。
その結果が、冒頭に掲げた決議案なのだ。
ウクライナ国民の皆さん、こんな遠くの国の小さな街が決議してもあなた達には影響はないかもしれない。それでも、長野市議会が、一国指導者の不正義を弾劾するなどということはこれまでに無かったことだと、市民は分かってくれると思う。これからガソリンや小麦の価格が上がると、私たちは不平を言ってしまうかもしれない。でもその次には、ウクライナ国民が耐えていることを、きっと思い出す。決議はそういうよすがには、なるだろう。