Questionです!
―長野市民であれば、すぐに「長野灯明まつり」を思い浮かべるだろう。青年会議所・商工会議所等の民間主導で15年間育くまれてきたこの2月のイベントは、すっかり市民に定着している。白馬のスキー客が夜のアトラクションとして訪れる等、観光資源としても認知が進み、今や長野市の宝と言える存在だ。
ところが、灯明まつりのコンセプトに競合する類似イベントが、開催されつつある。しかも、主催は誰あろう、長野市なのだ。称して「Nagano Design Week 善光寺表参道イルミネーション」。こりゃ、長くて呼びづらいね、どうにも。そこで「第2灯明まつり」と、民間がコツコツと積み上げてきたブランド力を流用する強かなマーケティングのテクニックに敬意を表して、当ブログではそう略称させていただく。
第2灯明まつりに疑義あり!!
小泉は、このイベントに絞り、今月6日、一般質問に立った。質問時間の全部を一つのテーマに注ぎ込んだのは、小泉としては初めてだ。それでも質問時間は充分ではなかった。
「複数の団体や組織による共同主催.」
質問に立つ小泉―長野市議会動画配信ページにリンク |
火災で5歳男児が死亡―問題未解決の委託先団体
市は第2灯明まつりの実行委員会を組織し、6100万円を交付。実行委は一者随意契約で善光寺ライトアップ等を在京のNPOに委託発注した。契約額は4100万円。
ところが、このNPOには未解決の問題がある。東京で開催したイベントの屋外展示物から出火し、逃げ遅れた5歳男児が、幼い命を落としているのだ。TOKYO DESIGN WEEK 2016でのことだ。
事故そのものだけでなく、事故後の主催者の対応にも、当時の世論は批判的であった。
事故の翌日、Tokyo Design Week 2016は中止。長い歴史を誇ったTokyo Design Weekは、それ以降開催できずにいる。
質問に対し、市は警察が捜査中であること、ゆえに主催者は5歳男児の遺族への補償が未了である旨を答弁した。小泉の私見としては、Tokyo Design Week 2016の主催者が何割かの民事責任は問われることはあり得ると考えている。2割程度の過失割合が相当との説もある。第2灯明まつりの委託先NPOは、解決すべき問題を抱えていることになる。
第2灯明まつりの抱えるリスク
このように火災に関わる未解決の問題を抱えるNPOに、長野市の4,100万円もの事業を委託することが適当なのか。人命も、国宝たる善光寺(もちろん木造で燃え易い)も、稚拙なイベント運営の結果として万が一にも損なわれるべきでない。
他にも、間接的なリスクはある。火災死亡事故に関する警察の捜査が終わり、誰かが逮捕されたら。裁判になったら。その度にTokyo Design Weekへのネガティブな世論が再び喚起され、Design Weekの枠組みの下で行われている第2灯明まつりにも、風評被害が及びかねない。
従って第2灯明まつりは中止すべきであると、小泉は主張した。
だが、これらの直接的・間接的なリスクについて、商工観光部長は「安全対策を取っている」等とのみ答弁。これだけのリスクが想定できるのに、具体的なリスク・マネジメントのプランを持っていないことを露呈した。市長も問題を抱えながらの第2灯明まつり強行を明言。かけがえのない人命や文化財が軽んじられるのは、誠に遺憾だ。
だが、これらの直接的・間接的なリスクについて、商工観光部長は「安全対策を取っている」等とのみ答弁。これだけのリスクが想定できるのに、具体的なリスク・マネジメントのプランを持っていないことを露呈した。市長も問題を抱えながらの第2灯明まつり強行を明言。かけがえのない人命や文化財が軽んじられるのは、誠に遺憾だ。
「共催」だから責任なし? 奇妙な主張
長野市の主張で理解出来なかったのが、これ。
◆ Tokyo Design Week 2016は、株式会社の主催、NPOの共催だった。
◆ 共催のNPOには管理責任はない。
実はこの辺が、小泉の今回の質問の腕の見せ所となる筈だった。というのは、今のTokyo Design Week 2016の公式サイトには、株式会社の表記しか残されていないからだ。「何らかの理由により」、火災死亡事故直後に、このサイトは改変されたらしい。そして事故前のサイトには、NPOが株式会社とともに主催者として明記されていた。小泉はそのスクリーンショットを入手。
資料として提示しながら、第2灯明まつり契約相手方のNPOには火災を防ぐべき管理責任があったと迫る予定だった。が、「共催」といきなり認めてくれたので手数が省けてラッキー! と、喜んだのもつかの間、共催のNPOに火事の責任はないと、頓珍漢な主張を繰り出してきた長野市に、今度は小泉は驚愕した。
主催にNPOの表示がある当時のTokyo Design week 2016公式ホームページ(Clickでページ全体を表示) |
資料として提示しながら、第2灯明まつり契約相手方のNPOには火災を防ぐべき管理責任があったと迫る予定だった。が、「共催」といきなり認めてくれたので手数が省けてラッキー! と、喜んだのもつかの間、共催のNPOに火事の責任はないと、頓珍漢な主張を繰り出してきた長野市に、今度は小泉は驚愕した。
いや、あの、共催とは「共同主催」のことで、ということはNPOにも火災に対する管理責任はありうるということになる筈なんだけど?
「共催」を辞書で引いてみる。
「複数の団体や組織による共同主催.」
(三省堂ウェブディクショナリー)
「一つの催しを二つ以上の団体が共同で主催すること。」
(Weblio)
ちなみに、長野市教育委員会の例規では共催を次の様に定義づけている。
行事の企画又は運営に参加し、共同主催者としての責任の一部を分担することをいう。
(行事の共催及び後援に関する要領)
貴重な質問の持ち時間を割いて、共催だから責任があるとかないとかの低レベルな議論をしなければならない小泉の身にもなってほしい。基礎的な語彙知識を欠き、「共催」だから責任はないとかの詭弁、マジ勘弁。最低限の勉強をしてから議場に臨んでいただきたい。それが高給を食んでいる部長級職員のマナーであり、職責ではないか。
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