【反省なし? の長野市議会】
議員が公費で飲食した件は、長野市議会の不祥事ではない-一部(というかほとんど全部の)反小泉派議員の驚くべき認識が、市議会の議員立法を通して露見した。
12月定例会最終日の17日、長野市議会は市長が提出した特別職報酬1.15%アップの条例改正案について、市議会議員分は1年間先送りにする修正案*を全会一致で可決。
*平成30年12月定例会議案第115号「長野市特別職の職員の給与に関する条例
の一部を改正する条例」に対する修正案
信濃毎日新聞は翌18日、この件について、次のように報道している。
12月定例会最終日の17日、長野市議会は市長が提出した特別職報酬1.15%アップの条例改正案について、市議会議員分は1年間先送りにする修正案*を全会一致で可決。
*平成30年12月定例会議案第115号「長野市特別職の職員の給与に関する条例
の一部を改正する条例」に対する修正案
信濃毎日新聞は翌18日、この件について、次のように報道している。
討論では小泉一真氏(無所属)は、修正案に賛成としながら、長野市、千曲市と埴科郡坂城町でつくる「千曲衛生施設組合」が議員歓送迎会費に公費を支出していた問題も「長野市議会が共有すべき反省事項」とし、修正案の提案理由に挙げられていないことを「やや残念」とした。
(信濃毎日新聞2018.12.18 2面「議員報酬引き上げ1年遅らす修正案長野市議会が可決」)
報酬アップ先送りの修正動議を提出した総務委員会委員長は、委員長報告で「議会・議員への信頼が大きく揺らぎ、同じ議会に身を置く者として信頼回復に努めなければならない」とし、具体的な理由として「議員の不祥事(酒気帯び運転、器物損壊)」を挙げた。しかし、昨年3月の議員による酒気帯び運転と、本年6月の共産党市議による器物損壊事件を理由として挙げる一方で、その間の昨年10月に判明した千曲衛生施設組合における公費飲食事件を修正案の理由から敢えて外している。
市議会議員の議員報酬については、今期の議員任期中において、議員の不祥事(酒気帯び運転、器物損壊)による辞職が続き、議会・議員への信頼が大きく揺らぎ、同じ議会に身を置く者として信頼回復に努めなければならないことを踏 まえると、議員報酬の改定を1年間据え置くことが適当であると判断し、議員報酬の 改定部分についての施行期日を平成32年1月1日とするものであります。
(平成30年12月定例会 総務委員会委員長報告)
公費飲食事件を議員報酬アップ先送りの理由としないことについて、小泉は本会議で委員長報告に対し質問。公費飲食事件も立法の背景と解釈することはできるのではないかとの小泉の指摘に対して、委員長は肯定しなかった。そのときの模様が下の動画。
ちなみに、この修正動議を総務委員会で提出したのは宮崎治夫氏。小泉が公費飲食を指摘した時の議長でありながら、飲食に費消した公費の返還については、何らのリーダーシップを発揮しなかった人物だ。総務委員会委員長は山本晴信氏。両名とも公費で飲食しているから、議員の不祥事という言葉には、我が事として人一倍敏感なはずだ。しかし、どうあっても公費飲食を不祥事とは認めず、市民の目から隠しておくという方向に、発想は向いてしまうのだろうか。
【信頼回復の絶好機を潰した市議会】
仮に、議員報酬アップの先送りの理由に、公費飲食があるとしていたら、どうなっていただろうか。
条例改正前の議員報酬月額は60万円だから、1.15%のアップ分は6900円だ。議長の報酬は更に高いが、一律に月当たり6900円の給料アップを一年間返上したとすれば、長野市予算からの支出はざっと300万円ほど抑えられることになる(6900円×38人×9か月+6900円×39人×3か月)。これは小泉が明らかにした過去5年間で公費飲食に支出された金額412,850円を上回るから、議会全体で一部議員の不祥事による不適切な公費支出を補填したとの釈明は、可能だっただろう。公費飲食は千曲衛生施設組合予算からの支出だが、組合予算は長野市をはじめとする自治体の負担金が主な財源となっている。従って、組合予算の不適切な支出による損害は、長野市予算の損害でもあるわけで、これを補填することで長野市の負担金支出の財政負担を軽くすることは、納税者の損害を回復することにつながる。論理としてはやや苦しいが、何も補填策を講じないよりは、はるかに市民の理解を得て、信頼回復の契機となり得ただろう。
条例改正前の議員報酬月額は60万円だから、1.15%のアップ分は6900円だ。議長の報酬は更に高いが、一律に月当たり6900円の給料アップを一年間返上したとすれば、長野市予算からの支出はざっと300万円ほど抑えられることになる(6900円×38人×9か月+6900円×39人×3か月)。これは小泉が明らかにした過去5年間で公費飲食に支出された金額412,850円を上回るから、議会全体で一部議員の不祥事による不適切な公費支出を補填したとの釈明は、可能だっただろう。公費飲食は千曲衛生施設組合予算からの支出だが、組合予算は長野市をはじめとする自治体の負担金が主な財源となっている。従って、組合予算の不適切な支出による損害は、長野市予算の損害でもあるわけで、これを補填することで長野市の負担金支出の財政負担を軽くすることは、納税者の損害を回復することにつながる。論理としてはやや苦しいが、何も補填策を講じないよりは、はるかに市民の理解を得て、信頼回復の契機となり得ただろう。
総務委員会審議に、議員報酬アップ先延ばしの理由として挙げられなかったとしても(というか、理由としないように図られていたとしても)、そのような解釈は当然に許されるのではないか。小泉はそこを質したのだが、山本委員長はこれを肯定しなかった。議会の立法の背景を、誰かが解釈するのは議会の責任の埒外なのだから、山本氏はこれを肯定できたはずだ。そう判断しての、小泉としてもぎりぎりまで譲った末の質問だった。「市民がそのように解釈する余地はある」とでも委員長が答えれば、長野市議会が身を切る議員立法で、公費飲食を補填する筋を通したと、寛大な市民は理解しただろう。そうしなかった理由の一つは、議員の大部分が、公費飲食を反省すべき不祥事とは飽くまでも認めないということだ。
市民の信頼回復の好機にあってまでも、一部議員は市民に背を向けた。公費飲食に続く市民への背信であると小泉には思える。残念無念だ。
【小泉に手柄を立てさせるな!? 議員報酬アップに後手で対応】
議員報酬アップ先送りの修正動議提出の背景に、公費飲食事件があると解釈しようとの小泉のアイディアは、絶妙の解決策であるように思える。だが、それだからこそ反小泉派議員は小泉の提案を受け容れられないのかもしれない。公費飲食事件で市民の側に立って議会を批判した、一部議員の敵である小泉。反小泉派議員はその鬱憤を、小泉への戒告処分で晴らしたばかりだ。
議員等特別職報酬1.15%アップの条例改正案は、特別職報酬等審議会の答申によるものだ。この答申は、実は1.42%アップで内定していたのを、小泉が今年9月定例会の一般質問でただ一人問題視して質問。審議会は異例の審議やり直しで、1.15%に決め直した経緯がある。これは誰が見ても小泉の大戦果だが、反小泉派議員にとっては面白いわけがない。
特別職報酬アップについて質問をしようとする直前の小泉を、議会運営委員会がつるし上げた異例の経緯からも分かるように、実際の議会の大勢は1.42%上げを良しとするものであったと小泉は理解している。
◆過剰な報酬アップを許さない小泉 VS 小泉を潰そうとする議員 一般質問終わりました!
◆発言前に議会がチェックだと!? 出ました無理筋の小泉イジメ!! 過剰な報酬引き上げに関する発言通告に
議員等特別職報酬1.15%アップの条例改正案は、特別職報酬等審議会の答申によるものだ。この答申は、実は1.42%アップで内定していたのを、小泉が今年9月定例会の一般質問でただ一人問題視して質問。審議会は異例の審議やり直しで、1.15%に決め直した経緯がある。これは誰が見ても小泉の大戦果だが、反小泉派議員にとっては面白いわけがない。
特別職報酬アップについて質問をしようとする直前の小泉を、議会運営委員会がつるし上げた異例の経緯からも分かるように、実際の議会の大勢は1.42%上げを良しとするものであったと小泉は理解している。
◆過剰な報酬アップを許さない小泉 VS 小泉を潰そうとする議員 一般質問終わりました!
◆発言前に議会がチェックだと!? 出ました無理筋の小泉イジメ!! 過剰な報酬引き上げに関する発言通告に
反小泉派には、議員報酬アップ賛成の内心を隠してでも、小泉以上の成果を上げたと喧伝したい事情があるのだろうか。
そのように考えてみると、1.15%の議員報酬アップの先送りは、単に議会が飲酒運転と共産党議員のハレンチ行為に反省したからという額面以上の理由が浮かび上がって来はしないか。
過剰な議員報酬アップに反対する小泉質問に圧力をかけ、それを無視した小泉の質問が奏功して報酬アップ率が縮小されると、今度は一転して、小泉以上の議員報酬抑制策を捻り出す反小泉派議員たち。しかし、奇妙なことに、公費飲食はその理由ではないという。それはまるで、議員報酬の適正な水準がどうあるべきか、議会の信頼回復はどうすべきかという議論よりも、小泉の正論に議会が引っ張られていく構図の実現を、反小泉派が恐れているかのように見える。
会派という枠組みで交渉や制御ができない小泉という無所属議員一匹が、反小泉派は、そんなに怖いのだろうか。小泉としては、唯々、筋を通しているだけなのだが。貴方方には考えてほしい。連携する議会か、分断され反発しあう議会か。市民がどちらを望んでいるのかを。