一軒のクレームが元で、長野市が廃止の方針を打ち出した青木島遊園地。市は昨年12月28日に「青木島遊園地の廃止を判断した経緯について」を公表。
小泉一真は、この文書(新見解)について、追加して質問状提出を予定していますので公表します。 |
昨日、議員の「みどりのはがき」利用は政治活動に当たるので回答できない旨、市広報広聴課から連絡があった。では、単に市議からの照会文書として適切な回答文書を用意されたいと申し入れた。
その後更に検討し、追加して次の通りメール文書で本日中に送達する予定としているので、内容を皆様とシェアさせていただきたい。
令和4年12月28日付け長野市都市整備部公表文書「青木島遊園地の廃止を判断した経緯について」に係る質問書
記
1. 新見解表明の理由
(1) これまでに青木島遊園地廃止について、①令和4年10月1日付け「青木島遊園地の廃止について(お知らせ)」(青木島地区区長会長との連名による地区内回覧文書)、②同年12月定例会、③同年12月8日記者会見及び④その他メディア対応等による市の説明等の機会があったが、新見解を表明しなければならなかった理由とは何か。
(2) 新見解により説明機会を重ねなければならない背景として、市民の理解が十分でないとの認識が市にあるとすれば、市民一般だけでなく、青木島遊園地の存する更北地区住民への説明および意見聴取する機会を、先ず設ける必要があるのではないか。
2. 「毎日40~50人で一斉に遊ぶ」について
(1) 令和4年12月9日市議会一般質問において、「4、50人が人が一斉に拡声器の号令の下に遊ぶというのは、(中略)直近では、そのような遊びが行われたのはいつか」との質問に対し、市は「明確な時期については把握していない」とのことであった。新見解では「夕方からは児童センターなどの子どもたちが毎日 40~50 人で一斉に遊ぶという状況になり、大きな声や音が発生していた」としているが、そのような状況はいつ始まり、いつまで続いたのか。またそのような事実認定は、何を根拠にしているのか。
(2)「大きな声や音が発生していた」とあるが、客観的な騒音測定値はあるのか。
(3) 市の顧問弁護士は、遊園地で発生する音声の状況について「受忍限度内」にあるとの見解ではないのか。
3. 児童センターによる利用停止
(1)「令和3年3月以降は児童センターの遊園地利用が実質困難」となったとのことだが、その理由は何か。
(2) 令和4年12月9日市議会一般質問において、「令和3年3月に御意見をいただいた方から、5人ぐらいの少人数でできるだけ声を出さないように遊んでほしいとの要望があった以降は、児童センターでは利用していない」との答弁があった。遊園地廃止の議論の契機となるこの事実について、理由を記載しないのは、説明責任の後退ではないか。
4. 愛護会活動について
(1) 新見解では「この状況下では愛護会活動が継続できない」としているが、令和4年12月9日市議会一般質問においては、(児童センター利用保護者が)「コロナ禍により(中略)集まって全員での作業というのはできなくなっている状況」との答弁であった。新型コロナ対策として、愛護会活動を見合わせているケースは、青木島遊園地以外の遊園地にもあるにも関わらず、なぜ青木島遊園地は廃止とせねばならないのか。
5. 立地について
(1) 新見解では「これまで、ハード、ソフトの対応を実施してまいりましたが、解決に至らなかったのは、この特殊な立地条件に問題がある」、「本市内に児童センター、保育園、小学校に囲まれた遊園地は他にはなく、唯一の事例」という。しかし不動産は立地環境、面積、形状、道路接続、地目、利用現況及び法規制等の複雑な条件が絡み合うことから、一つとして同じ条件のものはなく、実質的にそれぞれが「唯一の事例」といえる。不動産の利用について、「地域の環境や諸条件を考慮して『不動産の有効利用』を判定」するのは「不動産の適正な利用についての専門家」(※)である不動産鑑定士等の職分だが、当該遊園地敷地が遊園地としての利用を廃止しなければならないほどに不適な立地条件であるとする判断は、いつ、誰が、どのように専門的見地から決定したのか。
(2) 仮に、当該遊園地敷地が遊園地としての利用を廃止しなければならないほどに不適な立地条件であるとするならば、そのような立地で遊園地を整備した責任の所在は都市整備部にあるということか。
6. 代替施設
(1) 新見解では「青木島遊園地の北側には小学校のグラウンドがあり、また、青木島遊園地から徒歩5分圏内には3カ所、10分圏内には 13 カ所の遊園地がありますのでご利用いただきたいと考えております」としている。小学校のグラウンドは、遊園地のように常時開放され、誰でも利用可能な公共施設なのか。 (2)「長野市緑を豊かにする計画(平成31年4月改定)」第一編「都市公園等の誘致圏」は公園・遊園地の誘致圏を図示している。それによれば、西・南を国道117号、東を国道18号、北を犀川に囲まれ青木島遊園地が位置する街区は、市街化区域にありながら都市公園が存在せず、遊園地の誘致圏だけでは十分にカバーしきれていないことが読み取れる。
更に「平成52年(2040年)の人口密度と都市公園の誘致圏」で、当該街区の大半が「将来の人口密度が高いエリア」であることを図示しつつ、「公園施設の維持管理(修繕や更新など)を検討する際は、将来の人口密度が高いエリアにある施設を優先するなど、限られた財政のなかで効果的に進めて行く必要があります。」としている。
第3編地域別計画で、川中島・更北地域における緑化方針図中に「都市公園を補完する遊園地の機能の維持を図る」との方針を定めたのは、これらを受けてのことと思われる。
「長野市緑を豊かにする計画」中の「遊園地の機能の維持」方針と、当該街区で有力な青木島遊園地を廃止する施策とは、どのように整合するのか。7. 顧問弁護士見解の隠蔽
(1) 令和4年12月9日市議会一般質問において、「遊園地で子供が遊ぶこと、また、その騒音の周囲に与える影響については、本件の場合違法性はなく、遊園地を通常の利用の仕方で遊んでいる場合の騒音等については受忍のできる範囲」との市の顧問弁護士見解が答弁で示されているが、この点について間違いはないか。また、市が「大きな声や音が発生していた」と主張しておきながら、一方で市民がその適否を判断する際に必要となる情報を示さない理由は何か。
(2) 令和4年12月9日市議会一般質問において、遊園地の近隣世帯が「子供の声がうるさいという理由で子供を遊園地で遊ばせないということは、脅迫罪、業務妨害に当たる」との市の顧問弁護士見解が答弁で示されているが、この点について間違いはないか。「一人の意見で廃止」との報道の適否について、市民が判断する際に必要となる情報を示さない理由は何か。
8. 説明責任
(1) 当事者である、青木島地域のこどもたちへの説明は、いつ行うのか。
9. 原形復旧工事について
(1) 当初のスケジュールでは、遊園地廃止に際する原形復旧工事については昨年12月までに契約し着工する予定であったが、現在まだ着工されていない。一方で、地域対話と公園存続を掲げる署名運動が市民により暫くの間は続く模様だ。このように遊園地廃止に関し現市政に批判的な世論が一定程度の規模で続いている間は、工事は見合わせるべきであるとの声が市民の間にあるが、どのように考えているのか。