『全部言います!』小泉一真の市議会トーク: ブログ書下ろし

プロフィール


小泉一真ポートレート 長野市議会議員: 小泉一真(こいずみかずま)
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◆長野市をカッコよく! シチズン・ファースト!!(都知事や大統領より先に言ってます)
◆長野市一、税金の使い方にうるさい議員
◆長野県一、街頭演説する議員
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2021/10/22

【トップセールスで何でも解決!? おぎわら健司さん】市長選討論会を読み解く

青年会議所が開催した、長野市長選挙立候補予定者討論会。登壇した荻原健司さんと土屋龍一郎さんのそれぞれの主張を、読み解きます。
    主催者に敬意
    荻原節は「夢」にあり
    私にしかできない?
    「すべて自分が」の危うさ
    「加藤市政継承」だけなの?
    SAPPORO 2030を分捕れ?
※後編
【泥をかぶる決意を示した!? つちや龍一郎さん】市長選討論会を読み解く


主催者に敬意

討論会主催者に敬意を示し、クレジット。
令和3年長野市市長選挙立候補予定者公開討論会
【日時】令和3年10月18日
【コーディネーター】小宮山 知紗
【主催】長野青年会議所・南長野青年会議所
【主催者提供公式映像】

   



荻原節は「夢」にあり

まず、全体の印象と総論を。
荻原氏はアスリートらしい体形で、スーツも似合う。声は若々しく、自信を感じさせる。自信の源泉は、知名度だろう。
自分のカッコよさをよく自覚していらっしゃる風で、さすがにグラビアの仕事をするだけのことはある。土屋龍一郎氏の、ちょっと控えめだが丁寧な物腰とは、対照的だ。

(荻原氏のインスタグラムから引用)

惜しいのは、聴衆に語るときに視線を向ける先。手元のノートパソコンに落とすか、なぜか正面ではなく、左の方に視線を送っている。視線を合わせてこない人物に対して、人は無意識に、信用度を一段階落としてしまうものだ。
荻原氏の演説で印象的だったのは、「夢」という言葉。9回も使っていて、「夢」というポジティブ・ワードで、台風災害と新型コロナに苦しむ市民に希望を与えて勝利する戦略なのだろうか。

アスリート → エネルギッシュ・豊富な行動力 → 危機に際しての突破力 

荻原氏は突破力を印象付けたい?

という、政策よりも「夢」などによるイメージ戦略に傾注している(ように見える)。

「金メダル取った人が、そこまで自信ありげに言うんだから、何かやってくれるんじゃない?」

 有権者にそう信じてもらうのが、彼の「夢」なのかもしれない。
だが、自信あふれる態度には危うさも感じる。




私にしかできない?

「スポーツを通じた元気で明るいまち作り。
これは本当に私にしかできない分野だと確信してます」

荻原氏の自信あふれる言葉に、小泉はずっこけた。ちょっと待ってくださいよ。言っていることとやっていることが、違いませんか?

今年7月、長野市はオリンピックを盛り上げるため、イベント「東京2020大会コミュニティライブサイトin NAGANO」を開催。荻原健司氏はゲストとして招かれていたが、直前になってキャンセル。会見した加藤市長は、その理由を説明できなかった(令和3年7月20日長野市長定例記者会見)。正当な理由があるならしかたがないが、この荻原氏の行動は如何なものか。スポーツを通じて市民を落胆させないよう、気を付けていただきたい。
大体、スポーツで元気にするというのは、長野市総合計画やスポーツ推進計画が掲げる「スポーツを軸としたまちづくり」の焼き直しではないか。それが悪いとは言わないが、長野市は五輪開催以来、五輪施設を活用した競技大会誘致-スポーツコンベンションを成功させる一方、パルセイロ、グランセローズ、ブレイブウォリアーズ、ボアルースといった地域密着型スポーツと連携してきた。それなのに「私しかできない」とは尊大でないか。あなたがいなくても、ドタキャンされても、長野市はやってきたのだ。

「すべて自分が」の危うさ

荻原氏の自信はこれに留まらない。

「私自身が営業マンとなって、IT関連企業の誘致促進を図っていきたい。(中略)トップセールスというのは私の得意分野」

「長野市の農業発展のために、トップセールス」

「スポーツコンベンション、または大規模コンサートなどを誘致することを積極的に進めることが求められており、まさに私の出番」

スポーツを通じたまちづくりばかりか、企業誘致、農産物のセールス、各種イベント誘致まで、荻原氏は得意で、独力で解決できると言う。荻原健司氏がスキージャンプとクロスカントリーを得意としていたことまでは知っているが、そんなに幾つも大得意があるものなのだろうか。金メダルのような実績があれば信じることかできるのだが。
かつて長野県には、全国的な知名度を背景に当選し、何でも自分でやりたがる首長がいた。トップセールスも得意だと自賛していた。県民は熱狂し、90%以上の支持率で彼を迎え入れたが、彼が退場するときには精緻な行政機関が、組織の体をなさなくなっていた。トップが、自分が独りで動きやすいように組織の規律を溶かしてしまったからだ。その姿は、一部から「独裁」と評されたこともある。それを内部で身近に目撃していた小泉としては、心配だ。首長には組織をマネジメントする力こそが求められるのだ。
荻原氏は加藤市政の、行政の継続性を重視する立場だ。だが多くの課題をトップセールスで解決すると言う姿勢は、行政機関の組織的対応で解決するオーソドックスな行政手法と相いれるものなのだろうか。

何でも売りまっせ

土屋龍一郎氏も、前回2017年の市長選挙ではトップセールスを謳っていた。今回は、荻原氏にそれを譲ったのだろうか。あれもこれもトップセールスで解決すると張り合う不毛に巻き込まれるのを避けたのだとすれば、正しい選択だ。

「加藤市政継承」だけなの?

荻原氏は行政の継続性を重視しているから、新しいものを求めるのは酷なのだろうか。しかし、彼も討論会で「時代の転換期を迎えている」、「変化をしっかりと捉えて、的確に対応していく」と言っている。
そう思って討論会の発言を追ってみたが、見事に新しいものは見当たらない。
たとえば「健幸増進都市」は「長野市健康増進・食育推進計画」のアレンジだろう。「ワクチン接種をやりぬく」といっても、すでに国・県・市の各層が取り組んでいることで、誰が市長になってもやらねばならないことだ。「感染症対策チーム」とは、今の保健所のチームとしての取り組みと何か違いがあるのだろうか。
その中で目を引くのは、強いて言えば「子育て総合支援センター」かもしれないが、これはどのようなものなのだろうか。既に長野市にはこども未来部があり、世界初の「長野モデル」で産後のお母さんを支える等、母子保健に積極的な保健所がある。これらとの違いが分からない。
加藤氏継承と言っても、新しい政策が皆無では寂しい。全て加藤氏の前例踏襲なら、誰が市長でもよいではないか。

SAPPORO 2030を分捕れ?

小泉は、2016年、世界で初めて(多分)、2026年札幌オリンピック招致が成功した際は、ソリ系競技を長野市スパイラルで行うアイディアを長野市議会で提案。札幌と研究するよう求めた。その後、IOC(国際オリンピック委員会)が札幌市にソリ系競技の長野開催を求め、長野市・札幌市で覚書が結ばれている(札幌市の2030年冬季オリンピック・パラリンピック大会招致に向けたスパイラル使用のための覚書締結について)。そういう経過があったので、正直、荻原氏がこの件に触れてくれたときは嬉しかった。だが、続く言葉を聞いて絶句した。

スパイラルー長野市ボブスレーリュージュパーク

「スパイラルを使うだけではなくてやはり他の種目についても、同時に長野市に招致することによって、2030年札幌の冬季オリンピックが招致された際には複数の種目がこの長野市で行われる。(中略)そんな取り組みを進めていきたい」

ちょっと文章が整っていないが、つまり、ソリ系競技(ボブスレー、リュージュ、スケルトン)以外の競技も、札幌オリンピックから分捕って長野に持ってくると言いたいらしい。
IOCが「ソリ系は長野で」と指導したからそうなったが、札幌は他の競技は全て道内で開催するつもりだ。IOCは今年または来年にも2030年の開催都市を決めたがっており、このタイミングで競技会場の配置を円満に変えることができるのだろうか。それは大きな混乱を招き、長野市と札幌市の信頼関係にも影響を与えかねない。それとも、荻原健司氏は、IOC選手委員選挙に2度続けて落選しているが、案外、IOC中枢に何か特別な繋がりがあるのだろうか?
もちろん、キング・オブ・スキーと称された荻原氏はスポーツマンシップに長けた人物であり、長野市民を欺瞞するために実現不可能なホラを吹いているなどということは決してないだろうと信じたいのだが...
ちなみに上掲の荻原氏発言中、「種目」という言葉は「競技」に置き換えるのが正しい。例えば「リュージュ」競技の中に、「一人乗り」、「二人乗り」等の種目がある。IOCや札幌招致委員会と渡り合うのに、スポーツ用語のイロハが分かっていなくて大丈夫なのだろうか。

ポスト新型コロナの長野市の浮沈を決める市長選挙は、今月31日投票日です。




2021/06/29

新聞も書けない! 貧困ビジネス?と長野市事業の関係

生活困窮者の相談窓口「まいさぽ長野市」。市が社会福祉協議会に委託して実施しています。
ある市民から、「まいさぽに相談した結果、不利益を被った」との旨の相談を受けた小泉は、市議会6月定例会の一般質問で、個人情報の保護に配慮しながらの、難しい質問に挑みました。

長野市社会福祉協議会が入る建物
長野市社会福祉協議会が入る建物


貧困ビジネス?

Aさんの言葉を聴き終えた小泉は、驚きに絶句し、唸った。そんなことが、本当に、あるのか? 今年4月のことだ。
「貧困ビジネス」という嫌な言葉があり、Wikipediaでは「貧困層をターゲットにしていて、かつ貧困からの脱却に資することなく、貧困を固定化するビジネスとの定義が与えられている。つまり、経済的弱者の足元を見て、そこに付け入るビジネスだ。初めて聞いたときには、そのような商行為に呼び名が要るほど一般化していることに、また便宜とはいえ、反社会的な行為を「ビジネス」の名で呼ばねばならないことに、反発とおぞましさを感じたものだ。小泉には、県庁職員時代に、生活保護の地区担当員として、生活保護受給世帯と向き合ってきた経験があり、彼らを食い物にする輩への嫌悪と、その妙な現実感に、自分の胸がざわざわと鳴るのを聴く思いだった。長野県にも、存在するのだろうか。貧困ビジネスが問題にされるようになってから、しばらくの間は報道等の情報を注視していたが、都市部の報道が多く、長野県内の情報は見当たらない。無料低額宿泊所に代表される貧困ビジネスは、恐らくは路上生活者等を容易にキャッチできる地域でこそ成立するもので、しばらくは長野県内には進出してこないのではないか。根拠に乏しいが、そう思うことで当時は安心していた。
※執筆時点で、長野県・長野市は無料低額宿泊所の存在を確認していないとのこと

しかし、Aさんが巻き込まれた出来事は、長野にはないと思ってきた、貧困ビジネスの一種ではないのか? しかも、巻き込んだのは長野市保健福祉部が発注し、市社会福祉協議会が受託して運営する、「まいさぽ長野市」-生活困窮者自立支援事業-なのだ。

初めの手がかり

Aさんは、市内に住む60代の男性だ。「まいさぽ長野市」に初めて接触したのは、昨年の暮れ。経済的に困窮し、ある公的機関から相談するように勧められたという。
親が遺し、大切に住んできた不動産を手放すという、家計再建の最後のカードを切る考えを、Aさんは会って直ぐにまいさぽの職員に話した。親切に見え、秘密を守ると誓った職員を、このときはまだ信頼していたからだ。
初めは、司法書士への委任状からだった。A氏の不動産について資産税関係の書類を集める業務を、M司法書士に委任するよう、まいさぽ職員から迫られている。A氏は、特定の司法書士を名指しで使わせようとする態度に、不自然な印象を受けたが、市の事業の上で指定されるのだから問題はない筈と考えなおし、署名した。M司法書士への報酬支払いが必要となることについて、まいさぽ職員から説明がなかったため、まいさぽが生活困窮者に提供する無料の公共サービスと思っていた。A氏は、自分が感じた不自然さを、素直に受け入れるべきだったかもしれない。一週間後、彼は財産管理を始めとした4業務70万円の委任契約書へのサインを、M司法書士から提案されることになる。


「ビジネス」の環

結局、A氏は3業務50万円に値切って、M司法書士と委任契約を結んだ。 
A氏にS不動産を紹介したのも、M司法書士だ。M司法書士にあてて最初の書類にサインした3日後に、A氏の前に現れ、1150万円で不動産の購入申込を行い、サインさせている。商談はまいさぽ事務所で、まいさぽ職員が同席した上で行われた事実が、小泉の質問に対する保健福祉部長の答弁で認められた。市の施設を使わせて、特定の業者に商談を許しているという感覚が、小泉には信じられない。市の委託事業であったとしても、受託した社会福祉協議会は、社会福祉法で設置が求められている公共性の高い社会福祉法人なのだ。A氏にすれば、公共の事業のお墨付きがある契約であり、問題などありえないと考えても、誰が責められるだろうか。

M司法書士は、S不動産を紹介した
M司法書士は、S不動産を紹介した

ここでS不動産のとった行動を、読者はもう予測できるのではないか。そのとおり、次のプレイヤーを、A氏に勧めたのだ。購入申込は、建物の撤去が条件となっており、廃棄物処理業者のA社が作った228万円の見積書が、購入申込と同時に示されている。
A氏は後に改めて、S不動産との間で不動産売買の本契約を結んだが、M司法書士に委任状を書いてからわずか1週間でここまできてしまった。住み慣れた土地なのに、という感傷は於くとしても、不動産の売買のペースとしては超特急ではないか。さすがに、まいさぽが紹介したM司法書士だけあって、彼の率いるチームの仕事ぶりは手慣れたプロの手口だ。チームワークの素晴らしさに、小泉は半ば感心するほどなのだ。

 

相談しない幸せと、相談する不幸せ

1800万円という新たな購入申込金額に、A氏にとって喜びよりも、「間違いでは」との訝しい思いの方が先だった。
実は、自分の今後の人生を決める取引を、市が絡んでいる業者とはいえ、ただ一者からの購入申込だけで決めてよいのかと、A氏は心配していた。そして複数業者から見積もりを取るという、考えてみれば当然の行動が、確かに彼の人生を変えたのだ。T商事からのオファーは、A氏の手取り額で比べるとS不動産のほぼ2倍になる。彼はS不動産との契約は解除することを即断する。
これでA氏は幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。と言えないのは、明らかだろう。何しろ、まいさぽに相談せず、最初から一人で行動していれば、契約解除などという面倒な手続きはしなくて済んだのだ。さらにM司法書士や、廃棄物処理業A社とも交渉して、同様に契約解除が必要となる。そのため、A氏は弁護士を選任しなければならなくなったが、これもまいさぽに相談さえしなければ、負担しなくてよかったコストだ。何より、S不動産への違約金300万円を支払わねばならないのが痛い。老後の生活資金として、みすみす失ってよい金額ではない。
A氏は、まいさぽ長野市に相談するよりも、最初からひとりで道を切り拓いた方が幸せだった。抱えることになったトラブルと経済的損失は、全てまいさぽに相談したA氏独りの自己責任として、泣き寝入りしなければならないのだろうか。

まいさぽが果たした役割

A氏は生活困窮者で、不動産を売り払って、生活資金に充てようとしている。生活に困っているなら、急いで売りたいだろう。じっくり構えて高く売る余裕はない。つまり買いたたき、むしり取るチャンスがある。
そういう情報とセットにして、まいさぽはM司法書士にA氏を預けてしまった。仮に、そんな情報はM氏に与えていないとまいさぽが主張するとしても、社協に相談に来たという情報があれば、そのように容易に推察ができてしまう。A氏が貧困ビジネス?に骨までしゃぶられる一歩手前で難を逃れたのは、A氏自身の判断力が正しかったからで、まいさぽが救ってくれたからではない。それどころか、まいさぽは、M司法書士にA氏を引き渡した以外、特段何もしていない。こんな相談事業なら、ない方が生活困窮者の利益に叶うと、市民に批判されても返す言葉がないのではないか。
まいさぽは、違法・不当なことは何もないと言うかも知れない。M司法書士も、S不動産も、A社も、契約自由の資本主義社会で、利潤を極大化する企業原理に従っただけだ。A氏は自由意思で契約し、契約は保護されねばならないから、違約金300万円は妥当な額だ。それらはリクツとしては正しいかもしれないが、スジ論としては全く容れることができない。企業に社会的責任も、倫理も問われなくてよいわけがない。社協という、役所みたいな建物に呼び出されて、職員と業者がひざ詰めで、この金額で購入しますよ、どうしますかと迫る姿は異様だが、世話になっている手前、断りづらい。そこにA氏の完全な自由意思があったと言えるのか。
無料低額宿泊所は、かつては野放しだった。しかし今では、法により、行政に届出義務が課せられている。


小泉の質問

この件についての小泉の質問は、まいさぽ事業と相談者A氏個人の利害について問うものだったが、個人情報に触れることを極力回避しつつ、乏しい質問時間の中でのものだったので、聞く方はチンプンカンプンだったかもしれない。
このブログをお読みいただいた後でなら、分かりやすいのではと考えるので、どうか併せて小泉の質問の様子も、ご高覧ください。

○小泉一真 生活支援と貧困ビジネスについて、配布資料2以下になります。
経済的に困窮する人の足元を見てつけ込む貧困ビジネスという言葉があります。市内にいわゆる貧困ビジネスの事例があるのか、生活支援が必要な市民が貧困ビジネスに巻き込まれないために、市はどのような行動を取ってきたのでしょうか。

○保健福祉部長 お答えいたします。
消費生活センターや生活支援課、まいさぽ長野市などの生活支援の窓口において、近年貧困ビジネスに巻き込まれたとの被害の事例は確認しておりません。
なお、貧困ビジネスに巻き込まれないために、生活支援課への窓口への来訪者や電話相談者に対しまして、長野市消費者被害防止見守りネットワークから発信される悪質商法や特殊詐欺等の情報を生活保護のケースワーカーや市社協等の関係機関からお伝えし、注意喚起を図ってきております。

○小泉一真 昨年12月以来、生活就労支援センター、まいさぽ長野市で、障害を抱え、生活困窮により相談をされてきた市民への支援について伺います。
なお、この相談者氏名と当時の住所については通告してありますが、個人情報保護のため、この場での言及は避けます。
居住していた不動産を処分して生活資金に充てたいとの相談内容に、まいさぽ側は特定の司法書士を名指しで推薦、さらに、その司法書士が紹介した不動産業者、S社が相談者の不動産買取りを申し出たという事実について確認を求めます。

○保健福祉部長 相談者とまいさぽ長野市担当者との面談の際に、不動産の名義は共有の可能性があったこと、相談者の方からの訴えや置かれた状況から、緊急支援案件と考えまして、相談者の同意の下、早急に相談者の生活設計を図るため、迅速に事務処理を進める必要があると判断し、司法書士を紹介いたしました。
その後、相談者の方は直接司法書士の方にお会いし、依頼内容を確認したとのことです。
なお、S社から相談者に対し、不動産購入の申出があったことは事実でございます。

○小泉一真 不動産業者S社の買取り申出額は1,150万円で、建物の解体費228万円は売主の負担とするものでした。この申出の説明には、まいさぽ事務所が使われ、まいさぽ職員が同席したと聞きます。この事実について確認を求めます。

○保健福祉部長 お答えいたします。不動産S社と相談者との面談の場所として、まいさぽ長野市の1室が使用されました。面談の際には、まいさぽ長野市の職員も同席をしております。

○小泉一真 市の施設の目的外利用じゃないでしょうか。相談者は、一旦は購入申込みを容れてS社と契約したものの、後に他の不動産業者T社から買入れ額1,800万円、建物解体費はT社負担との申入れがありました。相談者のおよその手取り額は、S社契約の場合922万円、T社の場合1,800万円と2倍近い開きがあります。
そこで相談者はT社と契約し直しました。これでめでたし、めでたしではないんですよね。違約金として300万円をS社に余分に支払わなければならなかったと聞きます。これらの事実は正しいのでしょうか。

○保健福祉部長 お答えいたします。この件につきましては、相談者の方からの主張というふうに受け止めております。また、今日、議員の方から提出された資料、ぼかしは入っておりますが、そのことを言っているのかと思うんですが、不動産T社との契約については、経緯を含めて把握をしておらず、S社との契約解除に伴う違約金の支払いについても、相談者の方とS社との売買契約に基づくものと推量はいたしておりますが、把握しておりませんので、事実が正しいかどうかは、現時点では分からない状況でございます。

○小泉一真議員 知らないというのは、やや無責任な態度ではないでしょうか。
配布資料で、契約書と関係書類のコピーを配布してあります。私はこれを事実と確信しております。
まいさぽ事業の根幹として、個別の生活困窮者についての自立支援計画作成と自立後のフォローが
あります。この相談者について、これらの事業は的確になされたのか伺います。

○保健福祉部長 お答えいたします。本件の場合、相談者の方が訴えた内容、あるいはそのとき置かれた状況から、まいさぽ長野市では緊急支援案件と判断いたしまして、相談者の同意の下、早急に対応するため、司法書士の紹介などの情報提供を行いましたが、自立支援計画の策定までには至っておりません。
引き続き相談者へのフォローは必要だと考えておりますが、相談者の方は、土地処分費の収入があったことから、支援計画の作成は要望されていないという状況でございます。

○小泉一真 支援計画の策定があったとは相談者から聞いておりません。自宅を処分すれば転居先と保証人の確保が必要となります。自宅の処分自体も簡単なことでありません。
この相談者は御自身に障害があると訴えてもいます。支援計画とフォローが必要なのは明らかではありませんか。
まいさぽへの相談者は、原則として全て支援計画作成の対象とし、例外的に計画を要しない軽易なケースについては、客観的な基準を設けるべきではありませんか。

○保健福祉部長 お答えいたします。支援計画につきましては、相談者の方からの包括的な相談を受け止め、本人の同意を得て関係機関から情報を収集し、アセスメントを行った上で作成に着手いたします。
なお、本件のように、生活上の緊急的な支援が必要な案件、また、支援計画を作成する前に解決する案件もございまして、軽易な案件でも相談者お一人お一人の置かれた状況や要望に応じた支援が必要なことから、客観的な基準を設けることには課題があると考えております。

○小泉一真議員 今の答弁、主観によって自立計画を作らず、切り捨てて良いという答弁であり、聞き捨てなりません。障害について相談者が訴えても、通院、服薬、障害者手帳、障害者年金等について、何の質問も、アドバイスも、関心もまいさぽから示されなかったと聞きます。事実とすれば、相談スキルの水準が低い、まいさぽ職員への研修は、社協ではなく、長野市自らが実施すべきではないですか。

○保健福祉部長 お答えいたします。初期段階の相談の際に、御相談のしたい内容ということで、病気や健康のことということで丸がついております。そのときに、通院、あるいは障害手帳、年金というような話がもしあったとすれば、そこを確認しておりませんが、確実に、例えば障害福祉課とか、そういったところへつなぐというのは当然なことかと思います。
まいさぽ長野市の職員は、国の規定に基づき配置しておりまして、社会福祉士や同等の能力を有する職員が業務に当たっており、国が実施する相談支援員等の研修会への受講により、質の確保を図っていると思っております。
業務委託契約上、研修は受託者において、この場合は、長野市社会福祉協議会において行うものとされておりますが、更なる相談スキルアップのため、社会福祉協議会と協議いたしまして、研修内容の充実というものにも、更に努めていきたいと思っております。

○小泉一真 まいさぽの担当職員は生活保護の受給要件についても基礎的な知識を欠いているような印象を受けました。しっかり研修してください。
市のまいさぽ事業に相談し、特定の司法書士を推薦されれば相談者は信頼いたします。その司法書士が推した不動産業者S社は、市が間接的に推薦したということと同じです。S社との商談にまいさぽの事務所が使われていればなおさらでありますが、これは異様なことであります。
しかし、これは生活困窮者の足元を見て資産を買いたたく貧困ビジネスの一種であって、市の信用と社協の握る個人情報がそれに利用されたのではありませんか。相談から本契約まで10日間という余りの手際のよさに、同様の手口により事例が他にもあるのではないかと相談者は心配されています。
相談者は、まいさぽと市収納課や県滞納整理機構の間で、自身の個人情報が不適切かつ必要のないのにやり取りされていたと憤っています。取得された個人情報を基にした、あるべき支援も助言もないと。収納課では個人情報目的外利用の手続もなされていない。相談者からの抗議に対して示された滞納整理機構の回答文書は、センシティブ
な個人情報がみだりにまいさぽ長野市から情報漏洩している様が伺えて、胸が悪くなるほどのものでありました。
この内容が事実とすれば、コンプライアンス意識の欠如は甚だしい。相談者が貴重な老後の生活資金として、S社に渡った違約金300万円の一部でも回収しようと、更に苦労を重ねておられる現状です。
まいさぽに相談した結果、かえって自立を妨げるトラブルを抱え込んだのだとすれば、結果は重大であります。まいさぽ事業並びに市社会福祉協議会に対し、民間営利業者との連携における節度、相談・支援の適切性及び個人情報の取扱いについて、監査委員による監査及び福祉監査室による指導監査を行い、不適切事案の再発防止に努めるべきではありませんか。

○監査委員 お答えいたします。
監査委員による監査は、地方自治法及び長野市監査基準に基づきまして、本市の収入、支出などの財務事務が法令に適合しているか、さらには、最小の経費で最大の効果が挙げられるよう、効率的かつ効果的に行われているかという観点で監査を行っておりますので、社会福祉協議会による相談・支援の適切性はどうかといった視点とは異な
るものと考えます。
また、その年度に何を監査するかについては、総合的な見地から判断し、年間の監査計画を策定して監査を実施してまいります。

○保健福祉部長 福祉監査室による指導監査についてお答えいたします。
社会福祉法人であります市社会福祉協議会に対しては、国が示す指導監査ガイドライン等に基づきまして、法人運営体制の確保や事業運営の透明性、財務会計に関する事項について、3年に一度の間隔で一般指導監査を行い、実施しております。
今年度社会福祉協議会は、一般指導監査の対象になっている法人でございます。
このうち、まいさぽ事業は、社会福祉法人が行います公益事業に該当いたしまして、社会福祉との関連性や公益性の有無、事業の規模等について指導監査を行いますが、個々の事案の対応が適切か否かまでは監査対象とはなっておりません。
ただ、一般指導監査の結果、明らかな法令違反や不正が疑われる事項があったり、社会福祉法人の運営や会計について、法令違反や不正が疑われる情報が寄せられれば、法人や法人が行う事業を所管する部局、この場合は生活支援課になります。そこと協議の上、行政処分を念頭に置いた特別指導監査を行う場合がございます。

○小泉一真 本件のように、特定の司法書士を紹介し、間接的に紹介された不動産業者による低廉な買いたたきが行われたことについて、これは適当なことであったと考えているのか伺いたい。

○保健福祉部長 S社との買取り価格の数字、それについては確認しておりましたが、本日、T社の契約等の数字が初めて分かりましたので、今の段階では、その詳細のことを私把握しておりませんので、今後、まいさぽ長野市の方にもちょっと確認をする中で考えていきたいと思います。

○小泉一真 まいさぽに相談した結果不利益を被ったというのは、明らかに異常な事態です。きちんと調査し、議会に報告してください。
また、本事案は個人情報の漏えいを強く疑われるもので、調査の上、結果の報告を求めたい。

○保健福祉部長 お答えいたします。
契約上、受託者は、この場合、長野市社会福祉協議会になりますが、委託事業上、知り得た相手の秘密を第三者に漏らしてはならないとされておりまして、委託者は必要と見たときは、委託者の場合、長野市になります。長野市は必要と認めたときは、受託者の事業所に立ち入り、個人保護条例に関する監査又は報告を求めることができると
されていることから、業務委託の所管課である生活支援課において事実確認を行い、必要に応じて福祉監査室の助言を仰ぎながら調査を実施し、報告を求めてまいります。
なお、重大な法令、コンプライアンス違反のあった場合については、議会の方へも報告を含め、適切な対応をしてまいります。

○小泉一真 生活保護を含めて、自立生活支援の現場において、不動産の処分を助言・指導した後、いたずらに売り急がず、処分が適切な金額で行われることは、相談者、要保護者にとっても、市民経済にとっても重要です。特定の業者ではなく、宅地建物取引業協会等と連携する事業スキームを構築すべきではありませんか。

○保健福祉部長 宅建協会等と連携するスキームの構築につきましては、市社協の方にも、議員からの提案としてお伝えし、今後の検討課題とさせていただきます。

○小泉一真議員 6月10日、質問通告内容について、社協の地域福祉課長から、この質問では相談者の個人情報に触れる答弁になるが良いかと、質問の修正を迫る発言がありました。保健福祉部長もその場におられましたが、通告に不都合があったのはどの部分ですか。

○保健福祉部長 お答えいたします。
まず、数字的な部分でございまして、不動産S社の買取り申出、1,150万円、土地の上に建つ建物の建物解体費が288万円ということで、当初議員から質問いただいていましたが、その数字に、ちょっとこちらの把握する数字が違っていたもので、そこら辺りをちょっと確認したいということが主な内容でございまして、質問の内容について、飽くまでそごがあった部分について確認しようと思って面談を申入れて、当日議員の方へ伺ったということであります。

○小泉一真 解体、撤去費の数字が違っていて、何でこの質問では、相談者の個人情報に触れるという脅しをかけられなければいけないんですか、説明してください。

○保健福祉部長 お答えいたします。
議員の面談の際には、私と市社協の職員が同席、一緒に行かせていただきました。そういった発言があったのは、市社協の職員の方からということでございますが、その真意というんですか、そういった部分は正直分からないんですが、想像し得るに、その職員は、今回の相談者の方からの何回か相談等を受けていまして、半年以上にわたって、そういったような関係のある中で、もしこれが議場で質問が出て、私の答弁の中で、個人情報に触れるような発言があったらまずいなということを危惧して、そのような発言があったものと推察をしております。

○小泉一真議員 ますます裏に何かあるのではないかと思わせる答弁ぶりですよね。きちんと指導、監査、調査をしていただきたいと最後にもう一度お願いしておきます。

2021/05/20

ワクチン接種予約の実状はこうだ!! 上手い対応・イマイチな対応 

令和3年5月12日、待望の新型コロナウイルス感染症ワクチン接種予約が、まず基礎疾患を有する65歳以上の市民について始まった。小泉が心配した混乱の一方で、うまく対応した事例も。市役所内には緊張感が欠ける部署が...



好対応♪

ああ良かったー
予約受付の初日、自宅近隣の、比較的規模が小さい医療機関を4、5軒回って様子を確認した小泉。どこも予約の対応に追われてはいたが、大きな混乱を抱えている事例にはぶつからない。総合病院等の大病院ならば、人員も電話回線も余裕があるだろうが、小所帯の医療機関では過大な負担がかかるのではないかと小泉は心配していた。ところが、小泉が見た範囲では、そうはならなかったようだ。
新型コロナワクチン予約専用窓口を屋外に設けて対応する医療機関
(許可を得て撮影しています)

限られた電話回線が混雑するのを防ぐため、あえて直接来院しての予約をするよう、通院患者に案内。予め問診表等を配って事前の記載を求め、受付時間を短縮。このような初日対応をとることで、予約事務を円滑に処理する様を直かに目にした。
市の「広報ながの」では、当初、個別接種の予約方法を、「希望する医療機関へ電話」と案内していた。

ところが、最新の市ホームページの情報では、「予約方法等は医療機関により異なりますので、個別にお問い合わせください」と、現状に合わせて表現を変更している。


当初のプランに固執せず、現場の実状把握と方針の変更が、柔軟にできているのは、良いことだ。

今イチ対応

とは言うものの、大規模かつ前例のない医療オペレーションを実施するわけで、ある程度の混乱はやむを得ない。5月13日付け長野市民新聞は「受け付け初日 混乱」との見出しを掲げ、「一部医療機関では予約希望の電話が殺到するなど混乱も起きた」と報じたが、市民からの具体的な苦情やトラブルについての言及はなく、この程度で初日を乗り切れたのなら良しとすべきだろうと小泉は考えていた。 
しかし15日付け信濃毎日新聞北信版は「医療機関に電話がつながらず予約できない」といった市民の苦情を伝えている。市への問い合わせは、「規模が大きな病院に電話している人が多い」との報道は、小規模な医療機関への過負荷による混乱を心配していた小泉としては、読み違いで意外だった。実際、17日に至ってもなお「市民病院に予約電話を入れても繋がらないとの市民の困惑を、小泉は直接聞いた。
そこで市役所の長野市民病院担当者に聴取したところ、これまた意外な状況が分かった。 

◆市民病院の新型コロナワクチン接種予約の状況については、把握していない。 
◆市民病院は、市保健所と連携して適切に処理しているものと思われる。 

これが、5月18日時点の、市民病院を所管する医療連携推進課のおおよその回答ぶり。ワクチン接種を担う市民病院がどのような状況にあるのかについて、関心を持っていないのは非常に残念。即、保健福祉部長あてに直接、次の様に小泉から申し入れ。

「市民病院の接種予約状況を把握のうえ、必要であれば改善策を講じるべきでないか。確かに接種事務は保健所が所管しているが、市民病院は貴部の所管であり、その業務に責任がある。新聞は接種予約の混乱を批判的に報道している。状況を改善し、保健所を助けるべきでないのか」

 今日、19日、市民病院の接種予約状況を医療連携推進課あて照会したが、未だに12日以降の受付数の推移も把握できていないようだ。円滑に受付が進んでいるか判断するうえで必要となる数値でないかと、小泉は考えるのだが。把握の上、次なる策が必要かどうか検討するよう、重ねて要望した。

見込みが甘かった...

長野市は、新型コロナワクチンの接種について集団接種よりも個別接種に重点を置いており、その点でユニークな体制をとっている。先に述べたように、個別接種では予約受付が混乱するのではないかと当初から小泉は懸念を示していた。それに対し市は、概ね次のような説明を返したので、小泉も了解し、個別接種を応援してきた。
◆インフルエンザワクチンの個別接種状況から判断して、新型コロナワクチンも個別接種で対応できる。
◆個別接種を主体とした方が、全体の接種の進捗が速く進む。
◆接種を受ける市民の健康について知悉するかかりつけ医に接種してもらうことが、安全安心で円滑に進む。
結果として、大病院を中心に予約困難と報道されており、小泉も見込みの甘さを反省しなくてはならない。大病院という、規模の大きさから体制づくりに慢心があった可能性があり、検証が必要だろう。
それにしても、電話だけで足りなければ、24時間体制でオンライン受付する程度の体制は、やろうと思えば直ぐにできるはずだ。例えばGoogle フォームというサービスでは、無料でオンライン上の申し込みフォームを作成できる。小泉も活用している。

所定の事項をオンラインで収集し、細かな接種日時の設定は電話もしくは文書で通知する等、電話予約の体制を維持しつつ、それに加えて効率化を工夫することはできるのではないか。
今後、接種の受付は、基礎疾患のない65歳以上高齢者から65歳未満の者へと、段階的に進んでいく。今回よりも混乱なく予約が進む体制を工夫しておく必要がある。小泉も提案していきたい。 


2021/04/11

問題ある新型コロナ時短要請の県協力金!? 対象区域の拡大に小泉が走る! 取りこぼされる店を出すな

◆新型コロナ感染拡大を受け、県は長野市に警戒レベル5を設定
◆3月31日、県は長野市の一部地域でアルコールの提供を行う飲食店等に対して4月9日までの間、営業時間の短縮を要請。協力金を交付する方針を示す。さらに4月8日、要請期間を15日まで延長すると決定し、協力金の追加交付を決定
◆県の決定について、小泉が突きとめた問題とは―

長野市の動きは機敏だが―

長野市における新型コロナウィルス感染症警戒レベルを5に引き上げてから、すぐに飲食店への時短要請と協力金交付の方向性を示した県の初動は、悪くない。

県と連携し、県が取りこぼした地域で営業する飲食店に支援金を支給するとした長野市の素早い動きは、一層評価できる。

しかし、長野市支援金は、財源上の制約もあり、当初から「期間延長に伴い、自主的に営業時間の短縮・休業等にご協力いただく日数が増えても金額の増額はありません」と釘を刺さなかければならない内容だった。時短営業の要請が延長されることがあれば、経営が苦しくなる店舗があるのではないか。小泉はその点が心配だった。



 

長野市感染拡大防止特別支援金事業について(予定)


対象区域設定に欠陥あり!?


県の時短要請区域外で営業する店舗も、実際は客足が遠のいている。時短要請の延長で、県の協力金は追加されるが、市の支援金は追加されないのは何故なのか。このままでは経営が続かない」

期間延長が公表されると、その翌日、小泉に苦境を訴える飲食店からの電話が鳴った。そこで、県の時短要請区域を拡大し、県協力金の支給対象を広げることで、このような飲食店を助けられないものかと、小泉は考えた。

長野市内の営業時間短縮等要請区域対象
長野市内の営業時間短縮等要請区域対象 長野県ホームページ

改めて県が時短要請し、県協力金の対象となる区域を地図で見てみる。長野市のホンの一部の地域が指定されているが、これはどのような判断によるものだろう。この区域外の飲食店での飲食は、感染リスクが有意に低いといえるのだろうか。そのような専門的な判断ができるとすれば、長野市の伝染病予防を司る長野市保健所以外にないが、果たしてその意見を聴いたのだろうか。
時短要請と県協力金に関係しそうな県・市の部署全てに電話して確認してみた。県新型コロナウイルス感染症対策室、市保健所健康課、市商工労働課、市危機管理防災課。何れも市保健所に相談したり、されたりしたことはないとの回答だった。
印象に残ったのは、県対策室担当者の主張だ。

「私どもとしては、長野市(商工労働課)の方にエリア指定については確認をいただいている。保健所に意見を聴いたかどうかについては承知していないが、市長まで見ていただいているものだと思っている」

時短要請も協力金も県の事業であり、その実効性は県自身が責任を持って説明責任を果たすべきだ。であるのに、感染予防に足る区域設定になっているかという肝心な点について、県は語るべき言葉を持っていない。残念至極なことだ。

時短要請の対象拡大を訴える

県の時短要請区域の設定には、市保健所による感染予防上の専門的な視点からの評価が抜け落ちているという欠陥があることがハッキリした。また時短要請の後、4月8日には、県による警戒レベル5の設定が、長野市内から長野県域にまで拡大され、更に全県に医療警報が発令された。感染対策の強度を強めなければならない地域は拡大しているのだ。当然、時短要請の区域拡大も検討されねばならない。そこで小泉は、県対策室、市商工労働課に、次の様に要望した。

「早急に、市保健所の意見を徴した上で、時短要請区域を拡大すべきだ」

それによって救われる飲食店があると、有体に伝えることもした。小泉の意見を検討した市商工労働課は、県が時短営業を再び延長することを決めた場合は、県と協議すると回答してきた。小泉の意見に一理あることを認めた内容であるのは嬉しいが、それでは遅い。
早急な対応が必要だと、小泉は繰り返し指摘しなければならなかった。

2021/03/30

長野市のヤミ・無理やりな新教育長人事-5歳児死亡イベント「問題なし」ー「資質」編

「個人の資質が問題とは考えていない」としながら、新教育長人事案に反対した共産党。資質に問題がないのに、なぜ反対?
「資質の問題以前の課題」があると、重大な問題を仄めかしながら賛成した改革ネット。分かりにくい動きです。
独り、小泉一真だけが正面から問うた教育長に推された人物の「資質」とは?

前編「長野市のヤミ・無理やりな新教育長人事-3月市議会で反対したワケー「識見と情実」編」

新教育長への任命が議論の対象となったM氏
2019年11月29日信濃毎日新聞から引用


5歳児死亡イベントとの関係を「問題なし」と

 
小泉一真: (デザインウィークは)火災死亡事故が発生した2016 年を最後に、東京では開催されていません。(略)東京で開催できなくなったデザインウィークのブランドを長野市で引き継ぐことに、どのような意義があるのか、プラスとマイナスの両面の評価を示してください。

商工観光部長: 本市の顧問弁護士に相談したところ、全く問題ないという見解をいただいております。
デザインウィーク」というイベントをご存知だろうか。2016年、明治神宮外苑で展示物が失火、親御さんの目の前で5歳男児が命を落とし、Tokyo Design Week 2016(TDW2016)は大惨事となった。前身のイベントを含めてそれまで三十有余年、毎年開催していたが、2016年は火災と同時に中止され、それ以後開催されていない。しかし、長野デザインウィーク(NDW)開催によって、その命脈が保たれている。
「デザインウィーク」のブランドを共用している長野デザインウィークは、東京デザインウィークとは利害関係がある。当時TDW2016を共催していた団体と委託契約を結び、NDWは開催されているが、これは適切なことなのだろうか。
新教育長任命に議会が同意を求められた商工観光部長M氏は、今月9日、予算案質疑で、「まったく問題がない」との弁護士見解を示して答弁に替えている。しかし、これは倫理の問題を問うているのであって、弁護士が出る幕ではない。正面から倫理について論争することを避けたものと、小泉は理解した。


教育長には、高潔な人格を法が求めていることは、前編で触れた。教育者たる者、平均以上の倫理性を身に着けていることが求められるだろう。デザインウィークが抱える未解決の問題について見ぬふりをするのは、商工観光部長の答弁としては正しいのかもしれない。しかし教育者として、5歳児の命を落としたイベントのブランドを長野市で引き継いでいることに知らん顔をすることが適当だろうか。「亡くなられた男児には気の毒ではありますが」等の言葉を差しはさむ思いやりも持たないようでは、教育長として物足りなさを感じる。


資質に踏み込み討論


 

 小泉の命がけの討論も甲斐なく、教育長任命議案は通過した。この討論だけは、活字ではなく、小泉の肉声でお伝えしたい。動画を見ていただければ幸甚に存じます。

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資質を問わない議員の「資質」

人事案に反対する場合、その理由としてもっとも重要かつ説得力があるのは、その人物-今回の場合はM氏-自身の資質に問題があるとする論だろう。 ところが、共産党は教育長人事案の反対討論で、「個人の資質が問題とは考えていない」と述べた。改革ネットは「資質の問題以前の課題」という重大な問題を仄めかしながらそれを明言せず、様々な懸念を伝えた末の賛成討論とした。これらは非常にわかりにくい。 だが、ぶっちゃけた話、共産党や改革ネットがこの人事に反対し、または懸念を持つのは、個人の属性つまりは資質を問題としているからだと、小泉は考える。 

教育長に商工観光部長のM氏(59歳)を任命する人事案を巡っては『教育行政の経験がない』として一部議員が反対した」(3月23日信濃毎日新聞)
報道が伝えるように、彼らはM氏に教育行政経験がない点を問題としている。つまり、それによる資質の不足を問題としているのだろうし、それ以外に考えにくい。ところが、そうでないと装う。この欺瞞は、個人の資質に問題があると明言するよりも、悪質ではないか。当ブログ前編で伝えたように、法律上は、教育行政の経験がない人者であっても、教育長に任命できることになっている。教育行政の経験がないことを理由に反対するのは、違法不当な言いがかりであり、差別的ですらあると小泉は思う。
ではなぜ、資質に問題があると言わないのか。採決で反対したところで、この人事案は結局は成立し、M氏が教育長に就くだろうから、そのときの心証を悪くしたくないという打算ではないだろうか。もし、この教育長人事案が否決される見込みであれば、議会では大いにM氏の資質が論じられたに違いないと小泉は考える。それが議員としての正しい資質かどうかは疑問だが。
果たして、遠慮しながらの批判が、市民に理解されるだろうか。M氏に伝わるだろうか。

「自分の資質に問題がないなら、なぜ人事案に反対するのか」 

M氏なら、そう感じるのではないか。
結局議案は通り、M氏は教育長の職に就くこととなったが、だからこそ議場でM氏への懸念を明確にしておくことは必要なのだ。
教育長に任命されたM氏は、長野市の行政職公務員としては優秀な人材であると、小泉も認める。彼が商工観光部次長のとき、新幹線延伸について発揮した手腕は、小泉の印象に強く残っている。彼なら小泉の指摘した問題を理解し、克服するものと期待したい。

議案が通過した以上は、当然ながら、小泉としてもM氏を教育長として認める。そしてその就任を祝したい。

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2021/03/25

長野市のヤミ・無理やりな新教育長人事-3月市議会で反対したワケー「識見と情実」編

現商工観光部長M氏を新教育長に任命する唐突な人事案。「情実人事」の可能性と「教育長としての資質」に小泉一真はズバリ踏み込み、堂々の反対討論。他の議員は「賛成」討論としながらの批判や、個人の資質に問題なしとしつつ反対する等、分かりにくい議論に終始した。
新教育長への任命が議論の対象となったM氏
2019年11月29日信濃毎日新聞から引用


情実人事を疑う


「この人事は、一種の情実人事であるとの思いを強めている」

3月22日、この言葉から、教育長人事案への本会議反対討論を、小泉は始めた。改革ネットが、共産党が、新友会が、小泉に続いて賛否の討論をそれぞれ行う。ほとんどすべての人事案で、これまで議会は質疑も討論もなく、半ば慣例的に全員賛成で通してきた。長野市に、異例のことが起きているのだ。

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適性を語れぬ市長-法的な欠陥

「M氏が教育行政について優れた識見を示した機会を、市長はご存知かと思いますので、その点についてご説明ください。」

 この日、本会議の前に非公開で行われた議会全員協議会で、小泉は市長に質した。教育行政に触れたことのないM氏についてそう訊くのは、自分で言うのも何だが、もっともな質問ではないか。
 
「(M氏は)教育委員会に在籍していませんけれども、教育委員会に在籍していることそのものが教育行政に通じているということではない」

 市長のこの答弁に、小泉は面食らった。答えになっていない。小泉の問題意識は、彼が教育委員会に在籍した経歴があるかどうかではない。新教育長にふさわしい識見があるかどうか、なのだ。更なる答弁を求めて小泉は食い下がったが、加藤氏は踵を返して無視した。

「教育長は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育行政に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する。
(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項)」

 このように法律でも、教育長に「教育行政に関し識見を有する」ことを求めている市長がM氏の教育上の識見について説明責任を果たせなかったことは、法律上の重大な欠陥を伴う人事と言わざるを得ない。この点だけでも、議会としては任命に同意できないことになる。
ところで、市長(そして他の議員)が云々した教育委員会在籍の経験について、小泉は、教育長として必須であるとは考えない。教育行政どころか、一般的なお役所仕事の経験さえ持たない、民間出身の教育長がいてもよいと、思っているぐらいだ。法もそれを「可」としている。
それはさておき、教育行政経験がないM氏であればこそ、「教育行政に関し識見を有する」と誠実に説明する必要があるのに、その準備もしないで議会に臨んだ市長の姿勢が、小泉には信じられなかった。資質が問われるべきは、新教育長に推された人物だけではなかったようだ。市長の、市民に対する説明責任を軽々しく扱うこの姿勢が、小泉に反対することを決意させた。

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情実人事か

任命権者の市長が、M氏の教育行政に関する識見を語れなかった事実が示すのは、法律上の要件を満たさないという疑いばかりではない。適材適所の人事が行われなかった可能性をも、色濃く示している。小泉は次のように討論で触れた。


実は、一部の議員や職員の間では、市役所上層部の一握りの者が、適材適所ではなく、自己との親しさを優先させた、いわゆる「お友達人事」を取り仕切っているのではないかとの見方がある。

小泉はそのような見方には一線を画してきたが、しかしそうでもなければ、M氏を教育長に任ずることが優先で、その適性の見極めと説明責任を軽んじるように見える加藤市長の態度は、説明がつかない。
ここ2-3年で、小泉から見て、なぜこの職員に部長や課長が務まるのかと訝しく思う機会が増えている。小泉の3期10年の議員生活を通じ、少なくとも前任市長の鷲沢正一市政では、このような思いははるかに少なかった。これで職員の士気が保てるのだろうかと心配になる。
現市長加藤久雄氏は自身の市長選挙の際、長野市を「ガラッと変える」と言った。「人間関係を重視する」とも言った。そして確かに、市役所は変わってしまった。

2021/03/23

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読み応えあり! ブログ書下ろし記事

「市議会だより」はフェイク・ニュース!? 採決ゴマカシ表記を編集委員会が決定? 小泉一真は退席して抗議!!

定例会ごとに発行される 長野市議会広報紙「市議会だより」 。小泉一真が委員を務める編集委員会で、市民を欺くようにも見える紙面内容が決定されました。 「✖は〇に」「〇は✖に」 採決を捻じ曲げる広報?  「市議会だより」は、毎号、各議案等について会派ごとの賛否を示す「審...