現商工観光部長M氏を新教育長に任命する唐突な人事案。「情実人事」の可能性と「教育長としての資質」に小泉一真はズバリ踏み込み、堂々の反対討論。他の議員は「賛成」討論としながらの批判や、個人の資質に問題なしとしつつ反対する等、分かりにくい議論に終始した。
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情実人事を疑う
「この人事は、一種の情実人事であるとの思いを強めている」
3月22日、この言葉から、教育長人事案への本会議反対討論を、小泉は始めた。改革ネットが、共産党が、新友会が、小泉に続いて賛否の討論をそれぞれ行う。ほとんどすべての人事案で、これまで議会は質疑も討論もなく、半ば慣例的に全員賛成で通してきた。長野市に、異例のことが起きているのだ。
適性を語れぬ市長-法的な欠陥
「M氏が教育行政について優れた識見を示した機会を、市長はご存知かと思いますので、その点についてご説明ください。」 この日、本会議の前に非公開で行われた議会全員協議会で、小泉は市長に質した。教育行政に触れたことのないM氏についてそう訊くのは、自分で言うのも何だが、もっともな質問ではないか。
「(M氏は)教育委員会に在籍していませんけれども、教育委員会に在籍していることそのものが教育行政に通じているということではない」
市長のこの答弁に、小泉は面食らった。答えになっていない。小泉の問題意識は、彼が教育委員会に在籍した経歴があるかどうかではない。新教育長にふさわしい識見があるかどうか、なのだ。更なる答弁を求めて小泉は食い下がったが、加藤氏は踵を返して無視した。
「教育長は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育行政に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する。
(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項)」
このように法律でも、教育長に「教育行政に関し識見を有する」ことを求めている。市長がM氏の教育上の識見について説明責任を果たせなかったことは、法律上の重大な欠陥を伴う人事と言わざるを得ない。この点だけでも、議会としては任命に同意できないことになる。
ところで、市長(そして他の議員)が云々した教育委員会在籍の経験について、小泉は、教育長として必須であるとは考えない。教育行政どころか、一般的なお役所仕事の経験さえ持たない、民間出身の教育長がいてもよいと、思っているぐらいだ。法もそれを「可」としている。
ところで、市長(そして他の議員)が云々した教育委員会在籍の経験について、小泉は、教育長として必須であるとは考えない。教育行政どころか、一般的なお役所仕事の経験さえ持たない、民間出身の教育長がいてもよいと、思っているぐらいだ。法もそれを「可」としている。
それはさておき、教育行政経験がないM氏であればこそ、「教育行政に関し識見を有する」と誠実に説明する必要があるのに、その準備もしないで議会に臨んだ市長の姿勢が、小泉には信じられなかった。資質が問われるべきは、新教育長に推された人物だけではなかったようだ。市長の、市民に対する説明責任を軽々しく扱うこの姿勢が、小泉に反対することを決意させた。
情実人事か
任命権者の市長が、M氏の教育行政に関する識見を語れなかった事実が示すのは、法律上の要件を満たさないという疑いばかりではない。適材適所の人事が行われなかった可能性をも、色濃く示している。小泉は次のように討論で触れた。
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