ルール破りの裏切り予算! 5千万円で築4年目の庁舎デザインをリフォーム! それって誰トクよ?|『全部言います!』小泉一真の市議会トーク

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2019/06/07

ルール破りの裏切り予算! 5千万円で築4年目の庁舎デザインをリフォーム! それって誰トクよ?

6月5日、小泉一真は6月定例会本会議一般質問に立ち、「第一庁舎・芸術館1階空間装飾デザイン工事」について集中的に質しました。




築4年目で建物デザイン変更!?

あなたは家を建てて4年も経たないのに、デザインがダサいからと5千万円でリフォームするだろうか? そういう御大尽が、長野市役所には居るらしい。
今年度予算に盛られた5千万円の「第一庁舎・芸術館1階空間装飾デザイン工事」は不可思議な事業だ。信濃毎日新聞も今年4月20日、「完成からわずか3年余で、多額の費用をかけて改修することに対し、市議会から批判も出ている」と報道した。

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動線案内と非日常性はクロスするのか?

市の説明を小泉なりに要約すると、「第一庁舎から芸術館各ホールまでの動線が分かりにくいとの利用者の声に答える。ついでに、庁舎から芸術館に至るルートに非日常性を持たせる空間装飾デザインを施す」ということになる。
この「非日常性」という言葉が、どうにも小泉にはピンとこない。まあ、百歩譲って芸術館にはそんなものがあっても良いかもしれない。が、設計・建設の段階で、ホール施設が持つべき意匠性には十分考慮された筈だ。よって後付けのデザイン工事など不要。第一庁舎は市職員の仕事場であり、機能的であればよい。よって後付けのデザイン工事など不要。
小泉は機能面の問題と意匠面の問題は、分けるべきだと考える。なるほどホールへの道筋の案内は、充実した方が親切だろうし、市の施設が備えるべき機能でもある。そのためにデザインを統一した看板設置程度は行ってよい。しかし、それを「空間装飾デザイン」にまで風呂敷を広げると、それがなくては芸術館や庁舎のサービス提供にまで支障があるとは考えにくい。「装飾」は機能とは関係なく、不要不急のものだ。
そこで、という訳か、市役所はこれらをあえて一括し、予算執行する方針なのだが、これは「機能面の改善を含むんだから必要ですっ認めてっ」、と強弁する作戦に見える。それって、何のため? 誰トクなの?
第一庁舎フロア
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決めたルールを自分で破る! 市民を裏切るチート予算

これからの世の中、施設の維持・更新にカネがかかるが、人口減少に伴い利用者も税収も減っていく。だから箱モノは減らさなければならないし、施設改修工事についても、不要不急の件は後回しにし、必要性の高いものから予算化してゆく必要がある。それが長野市公共施設等総合管理計画の精神だ。
そこで長野市は、昨年度から、予算編成に新しいルールを持ち込んだ(公共施設整備事前協議制度)。維持・改修を含め、ハコ物整備を行おうとする部署は、公共施設マネジメント推進課と必要性について事前協議を行う。それをもとに「改修工事の全庁的な優先順位付け」が行われた後、各部署は財政課あて予算を概算要求する。

改修工事に係る優先順位付けの流れ
H30.2.22 長野市部長会議資料

ところが、この「空間装飾デザイン工事」は、事前協議を径ずに予算化されたと、小泉の質問に総務部長は認めた。えっ? マジ?
フツーに事前協議したら「必要なし」と判定されたと、小泉は思う。事前協議制度の「優先順位判定マトリクス」を見ていただきたい。


縦軸「危険度」は最低ランクの「不便・要望」。横軸「劣化度」は、築4年目なのだから殆んど劣化はなく、「欄外」となる筈だ。つまり、長野市のルール上は逆立ちしても、「装飾デザイン工事」に予算は付けられないのだ。それが分かっている総務部だからこそ、事前協議の手続きを華麗にスルーし、話が通っている財政部は、チートと批判されかねない予算編成を認めた。
まーそれにしても総務部が作ったルールを、初年度から総務部が自ら破るというのは、マズい。他の部署に対して示しがつかない。それどころか、今後20年間で20%施設面積を減らすとの目標達成に協力してきた市民を、裏切る所業ではないか。

まだある? チート予算編成

情報公開請求で入手した資料(下掲)の一部を、小泉は議場で配布した。




改修工事の見積書で、民間企業が作成した様だ。見積総額7,255.5万円から床改修案2,881.5万円を差引いて、5,000万円の予算額としたと、議会前の調査で小泉は市から説明を受けている。しかし、その引き算の答えは、4374万円が正しい。財政部は、見積もり額に600万円、14%もプラスする、大甘な予算査定をしていることになる。質問時間の都合上、この点を一般質問では突けなかったが、小泉が「事業化ありき、5000万円ありき、もしかすると特定業者との契約ありき」と議場で批判したのは、このことを知っていたからだ。

「工事内定業者が5000万円って言ってるならさ、それにちょっと上乗せした見積もり出させようよ。切りしろってやつ。事前協議はスルーしたけど、ちゃんと予算査定はしました、余分なカネはカットしましたってことで」


このような動機によるものではないかとの憶測を呼ばないためにも、市役所は大甘査定の理由を合理的に説明するべきだ。
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総務部の暴走?
仮に5000万円をかけた空間装飾デザイン工事が、本当に純粋な施設管理上、必要なのだとしよう。であれば、芸術館を担当する文化スポーツ振興部に、その必要性と、予算要求上の見積もり仕様について、総務部は相談してしかるべきだ。総務部長は、この工事が必要となるのは、芸術館に向かう動線の「ワクワク感」が必要であるからとの趣旨の答弁を繰り返している。であれば、非日常性が求められる大元の芸術館の運営の元締め、文化スポーツ振興部にお伺いをたてなければならないのは当然だろう。
しかし、小泉は事前調査で、文化スポーツ振興部員から、予算要求の前にそのような意見を総務部から求められたことはないとの情報を得ていた。また小泉の質問に、総務部長はそれを否定しなかった。
つまり、芸術館・文化スポーツ振興部抜きで、総務部が独断で財政部と予算付けの話を固めたことになる。いくら市民の声があったとしても、内部の担当部署の話を聴かずに5000万円の事業を予算化するというのは、異常だと小泉には思える。もう決きまった話だから、芸術館・文化スポーツ振興部には余計な口を出させない。そういうことなのだろうか。
総務部長は、見積書作成の際に用意されたはずの、外観イメージ図の提供と、見積もり業者名の開示を拒否した。予算査定の段階で既に受注業者が決まっている出来レースではないかとの議会の
合理的な疑問に対し、検証の道を閉ざす答弁は残念至極だ。

責任は市民に!?

さて、事前協議という予算要求上のルールはスルー、関係部署の話も聞かず、査定額は大甘。県庁の飯を食った小泉には、この仕事は本来のお役所のそれとはかけ離れていることがよく分かる。そこで問うた。

維持改修の有線順位判定マトリクスを見ても、優先順位が高いとは出ない。それは政治判断ということだと思う。とても一般職ができる判断ではない。その判断をなさったのは一体誰なのか。

答弁に立った加藤久雄市長は、市民の要望であることを繰り返すのみで、判断の合理性には触れなかった。

市民に責任を転嫁することが、特別職の仕事と認識しているとすれば、残念だ。
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カネより智恵、ハードよりソフト

「非日常が欠けているというのが、俺はどうもよくわからない。槙(文彦)先生が設計されて、『ニワ』という広大な空間を合築の真ん中に造りましたよね。あんな非日常的な建築はなかなか無いと思います。まだ何が足りないんですか。」

小泉が質すと、議場は笑い声に包まれた。切られた啖呵の小気味良さに釣りこまれただけでなく、小泉の指摘も尤もだとの同意を込めた笑いであったように感じる。
この「ニワ」(中庭)が占めるスペースの非効率性に、庁舎・芸術館の設計を委託した槙設計事務所との交渉において、当時、長野市は不満を表明している。しかし結局、高名な建築家の主張を市は受け容れた。既に市は庁舎1 Fのハードウェアの意匠性には十分に配慮してきたと言うべきで、この上装飾デザインを施すことは、屋上屋を架すに等しい。


「ニワ」を建物中央に配置する長野市第一庁舎・ホール1階平面図
「新第一庁舎及び新長野市民会館 実施設計概要 平成25年4月 長野市 」

実際、写真で示す様に、無機質なコンクリートとガラスの中にグリーンを配する「ニワ」は異彩を放っており、十分な存在感を示している。ハンギングバスケットのコンクールが行われたときは、華やかだった。「ワクワク感」と言うなら、「ニワ」にアイスクリーム売りなどの屋台を、入札で受け容れれば良い。市の自主財源にもなる。

「ニワ」を臨む (パノラマ写真)

要は、出すべきはカネより智恵。整えるべきはハードよりもソフト。これは今の人口減少の世の中の潮流でもあり、そういう市役所であるなら、市民はカッコいいと感じるだろう。その思いを込めて、小泉は質問を次のように締めくくった。

「この予算は凍結し、来年度以降、正規の庁内手続きを経て、デザインではなく機能向上を策として予算化するべきではないか。」

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