【異例!? 審議会が審議やり直し!】
特別職報酬等審議会が一度は決定した市長・議員ら長野市特別職の報酬等1.42%アップの方針を、予定外の審議会を今月18日に開催し再検討した結果、1.15%に引き下げて内定するという、異例の展開となった。
1.42%は高すぎで根拠に乏しいとの小泉の意見は、このブログやYoutubeで、また9月定例会一般質問で主張してきた経緯がある。
面白いのは、この経緯を新聞報道した2社の記事が、それぞれ違う角度から書かれている点。ポイントを引用しながら紹介させていただきたい。また、小泉の解説も加えたい。
【小泉発言を気にした審議会】
10月19日の朝日新聞長野版から引用する。
1.42%は高すぎで根拠に乏しいとの小泉の意見は、このブログやYoutubeで、また9月定例会一般質問で主張してきた経緯がある。
面白いのは、この経緯を新聞報道した2社の記事が、それぞれ違う角度から書かれている点。ポイントを引用しながら紹介させていただきたい。また、小泉の解説も加えたい。
【小泉発言を気にした審議会】
10月19日の朝日新聞長野版から引用する。「8月の第3回審議会では1.42%像の結論が出ていたが、その後の市議会で反対意見が出たことなどを踏まえ、「市民理解が得にくい」と判断。「異例の変更」(市幹部)となった。
(中略)
...9月の市議会定例会では、長野県知事が一般職と同じ1.15%の改定率で8月から給料を引き上げたことを踏まえ、これを上回る率が「市民の理解を得られるか」といった意見が出た。第4回審議会では委員から「県に準じた方がいい」などの発言が相次いだ。」
嬉しいことに、小泉の議会発言が審議会の念頭にあり、報酬等アップ率を引き下げたという趣旨の記事になっている。「市議会で反対意見が出た」、「『「市民の理解を得られるか」といった意見が出た』」というのは、何れも小泉の一般質問のことだ。他にこの件で質問した議員はいないから、間違いない。
市幹部の「異例の変更」というコメントはもっともで、小泉も審議会の方針がひっくり返ることまでは想定していなかった。それだけに、望外の大成果だ。
但し、審議会事務局に問い合わせたところ、審議会では特に小泉発言への言及があったわけではないとのこと。従って小泉発言が審議会に影響を与えたというのは、朝日の記者さんが取材を通じて確証を得たのだろう。もしかすると、やり直し審議のために審議会委員と連絡を取った事務局が、市議会の動向などを伝えてあったのかもしれない。
【一市民の意見を気にした審議会】
10月19日の信濃毎日新聞北信版から引用する。
「8月の前回会合で1.42%の引き上げ幅を答申すると決めたが、欠席していた公募委員から「市民の理解を得られるか」といった意見が出たことなどを受け、改めて審議。この日、見直した。」
後から異議を唱えた欠席委員が、公募委員であった点に注目したい。特別職等報酬審議会の委員構成は、次の通りとなっている。
公募委員
長野商工会議所副会頭
長野県経営者協会長野支部副支部長
日本公認会計士協会東京会長野県会副会長
ながの農業協同組合代表理事組合長
長野経済研究所常務理事
長野県立大学教授
連合長野長野地域協議会議長
長野県弁護士会弁護士
立派な顔ぶれだ。だが、公募委員以外の委員は、1.42%で合意していたのだ。公募委員が、「一市民」の資格で「市民の理解を得られるか」と正論をぶつことが、専門家たちの意見をひっくり返すような、最も大きなインパクトを審議会に与えたということだ。
大学教授や弁護士等、専門職も市民感覚には一歩譲らなければならないときがある。「一市民」の意見には、それだけの敬意が払われるべきであり、専門家も市民感覚を失えば、正しい道理が導けない場合があるのだ。
長野市の審議会は、「原則的に市民公募枠を設け、広く市民に参画を呼びかける」こととなっている(「長野市附属機関等の設置及び運営等に関する指針」)。しかし、実際には抜け道も幾つか定められており、市民公募枠が設けられている審議会は、案外少ない。小泉は、機会がある度に、市民公募を行うように意見しているが、それはこのような理由によるからなのだ。
【市役所の意思は?】
実は、1.42%ではなく1.15%が適切だという見解に審議会が至った背景には、長野市役所の意思の存在があるのではないかと小泉は推察する。実は、市長・議員等特別職報酬等の改定率については、報道には現れない第3の案があった。事務局案としては1.42%、1.15%、0.72%の三案が委員に示されていたのだ。市役所としては、中をとって1.15%を選ぶよう、委員会に期待していたのではないかと思う。県人事委員会による改定率と同一で、長野市一般職の改定率にも採用される1.15%なら、最も説明しやすい。言葉には出せないけれども分かるでしょ、阿吽の呼吸で、というわけだ。朝日新聞によれば、市幹部は「異例の変更」と評したらしいが、同時にこのようなコメントも掲載されている。
「長野市の倉石義人総務部長は取材に『県の改定率は大きな重みをもっており、1.42%を裏付ける根拠の説明がしにくかった。市民理解が得られるか得られないかが一番のポイントだった』と話した。」
事務局(市役所)が示し、審議会が方針決定した1.42%案について、市役所がこのようなコメントをすることも、相当に異例なことのように思える。阿吽の呼吸を理解せずに1.42%案を選んだ審議会を、事務局は意外なこととして受けとめ、苦慮したのではないか。そして不祥事続きの市議会や、県人事委員会の勧告よりも上回っているという小泉の指摘、さらに欠席委員の不同意といった事象を、最大限に利用して、目に見えない形で審議会を追い込んだのではなかろうか。
市に、1.42%は高すぎるという意識がなければ、そもそも審議のやり直しには至らないはずなのだ。
そういえば、質問前に聞き取りしたとき、職員課は小泉の問題意識に意外なほど協力的で、小泉が求める資料をすぐに出してくれた。案外、長野市はこの分野では、マトモなのかもしれない。
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