◆長野市長加藤久雄氏が、入札監視委員会設置は考えていないと三月議会で答弁 ◆平成14年以降、国は自治体に第三者機関・入札監視委員会等を設置し、入札及び契約を一層適正化するよう求めている。全国中核市の3分の2は既に設置済み |
「(第三者機関)入札監視委員会等の設置は考えていない!」
-と長野市長・加藤久雄氏が、3月7日、小泉の一般質問に対し、見解を示した。
小泉は質問で「中核市の54市中、36市」3分の2が既に入札監視委員会を設置したと指摘。県内の伊那市・大町市の設置事例も示し、国の方針に沿い「設置を真剣に検討すべきではないか」と提案。
第三者機関による監視を求める提案に対し、市長は市の職員で構成する「市請負工事審査委員会」、「市公正入札調査委員会」で対応可能と答弁。しかし入札・契約の過程・内容についての審査と意見具申がどのようになされているかと小泉市議が重ねて問うと、財政部長は「確認して対応する」と、具体的な答弁ができなかった。入札監視委員会を置かないとの答弁が、「談合に容認的な市政であるという誤ったメッセージを流す結果になることを危惧する」と、小泉は指摘した。
談合復活の懸念を逆なで
平成29年、新幹線建設工事に関係する大手ゼネコンの入札談合が発覚。久しぶりの大型談合に、国民は悪しき商慣行が生き延びていることを思い知らされた。それに前後して平成29年9月には鳥居川署配置消防ポンプ自動車購入で、平成30年5月には箱清水地籍道路改良工事で、長野市発注の入札にそれぞれ談合情報が寄せられ、談合の可能性を排除しきれなかった市は「適正な入札の執行が困難」として入札中止とした経緯がある。談合復活の兆候に市民が懸念する中だけに、入札・契約の適正化を求める世論に逆行すると取られかねない加藤市長の答弁意図には注目が集まる。
業界出身市長の行くべき道は?
平成29年12月議会では、篠ノ井総合市民センター杭打ち工事を1億7,760万円(税抜)で株式会社M社が落札した契約議案が追加上程され、本会議で議案質疑が集中するという異例の議事進行となった。小泉が「契約相手方と市長の、現在、また過去における関与の在り方」を質すと、加藤久雄市長は「全く関与はありません」と答弁。しかし小泉が、加藤久雄氏のM社社長就任等の経歴が市ホームページに掲載されており答弁は事実に反すると指摘。加藤市長は議会最終日に、本会議で「昭和60年に代表取締役社長に就任」と訂正の発言を余儀なくされた経緯がある。M社は、「土木・建設工事の設計、施工」等を業とし、1700人の社員を擁する大会社。市長が議場で、M社との過去に言及したくなかったのは理由があってのことなのか。今は退いたとはいえ、市長がかつて身を置き率いた企業が、市との契約を適正に行っているかどうかは、市民の関心事に違いない。M社は市の杭地業工事受注で一定のシェアを有しているとの、市民の指摘もある。その程度のことが分からない加藤市長でもあるまいに、なぜ第三者機関・入札監視委員会によるチェックを拒むのか。むしろ進んで小泉の提案を容れ、市の入札業務が健全に行われていることを示すことこそ、市長の行くべき王道ではないか。
談合情報110番は「検討」
談合情報の通報先として、契約課や入札監視委員会を担当窓口として明示し、電話番号を談合情報110番として広報する立川市、川崎市等の事例に倣うべきであるとの小泉の提案に、財政部長は「情報提供の窓口の在り方につき他市の状況も踏まえて、より分かりやすい方策を検討していく」と答弁。また、市は匿名の通報も受け付けるとした。今回の入札・契約関係の質問の中での、細やかな小泉の成果だ。
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