飯綱高原にJリーグチームのキャンプを呼べる立派なサッカーグラウンドを作る計画が示されています。総事業費約11.5億円を投じて、スポーツで飯綱を盛り上げようという狙いはよいと思います。
しかし、この華やかな計画の裏に、私たち市民が知らされていない、とても重要な問題が隠されていることをご存知でしょうか? 今回は、非公開の「政策懇話会」でも語られなかった、3つの「隠れたリスク」について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
リスク①:「宝の土地」への道が閉ざされる?
今回の計画では、旧飯綱高原スキー場の「第2・第3駐車場」をサッカーグラウンドに改修します 。一見、使われなくなった駐車場の有効活用に見えますよね。 でも、地図を見てください。この駐車場は、その奥に広がる広大なゲレンデ跡地(国有林)への入り口という重要な役割も持っていました。![]() |
▲旧スキー場跡地の国有地と駐車場の位置関係 |
サッカー場が建設されると、後背地へのアクセスが制限される可能性がある。
もし、この駐車場が恒久的なサッカー場になってしまったらどうなるでしょう? 車両が入れなくなり、奥の広大な土地の使い道が大きく制限されてしまいます。将来、キャンプ場や自然体験施設など、別の素晴らしいアイデアが生まれても、「駐車場がないから実現できない」ということになりかねないのです。
これは、飯綱高原の未来の可能性を狭めてしまうリスクと言えるのではないでしょうか。
これは、飯綱高原の未来の可能性を狭めてしまうリスクと言えるのではないでしょうか。
リスク②:「3年契約の短期借地」返還を求められたら…
さらに深刻な問題があります。実は、サッカー場の奥にある旧スキー場のスロープは、市が国から借りている「借地」であり、しかも3年ごとの短期契約で更新されています。 営業していた頃は「スキー場」として借りる正当な理由がありましたが、廃止された今、その理由は失われています。本来であれば、土地を元の状態(更地)に戻して国に返すのが原則です。リフトは基礎から撤去し、植生も復元しなければなりません。何億円というコストが発生することになります。
市の計画は、この不安定な「借地」を活かすための施設と位置付けられていた駐車場を廃止して、11.5億円もの巨額の税金を投じ、サッカー場を造るというものです。 もし将来、後背地の国有林の活用策が見いだせないまま、国から「もう貸しておく理由がないので、更地にして返してください」と言われたら、どうなるのでしょうか。 その時、私たちは原形復旧費用を、新たに税金で負担しなければなりません。
これは、市の財政にとって大きなリスクです。
市の計画は、この不安定な「借地」を活かすための施設と位置付けられていた駐車場を廃止して、11.5億円もの巨額の税金を投じ、サッカー場を造るというものです。 もし将来、後背地の国有林の活用策が見いだせないまま、国から「もう貸しておく理由がないので、更地にして返してください」と言われたら、どうなるのでしょうか。 その時、私たちは原形復旧費用を、新たに税金で負担しなければなりません。
これは、市の財政にとって大きなリスクです。
リスク③:なぜ語られない?不透明な意思決定プロセス
最も疑問なのは、これほど重要なリスクについて、オープンな議論とされていないことです。 先日開催された「スポーツを軸としたまちづくりのための政策懇話会」は、議事録を見る限り、この「後背地の活用制限リスク」や「国有地返還リスク」は議題にすら上がっていません。しかも非公開で行われ、市民公募による市民参加はありませんでした。市民の財産である税金の使い道を決める上で、メリットだけでなく、こうした重大なリスクもすべてテーブルの上に並べ、オープンに議論するのが本来あるべき姿ではないでしょうか。
改善案 :
将来的に、林野庁から旧飯綱高原スキー場用地の返還を求められるリスクは、ゼロではありません。借地契約期限が3年という短期間では、安定的な利用は難しいでしょう。市は、駐車場を廃止してもなお、一定の利用が見込まれる旧スキー場ゲレンデ部分の利活用案を早急にまとめ、市民と議会に相談する必要があります。
それができないのであれば、林野庁と誠実に、今後の原形復旧について話しあう必要があるでしょう。例えば、すぐには無理だが、10年かけて引当金を積み立てて財源を作る等の具体的な方針を示せば、国は交渉に乗ってくれるのではないでしようか。懸案を不安定なまま先送りするのは、責任ある政治ではありません。
それができないのであれば、林野庁と誠実に、今後の原形復旧について話しあう必要があるでしょう。例えば、すぐには無理だが、10年かけて引当金を積み立てて財源を作る等の具体的な方針を示せば、国は交渉に乗ってくれるのではないでしようか。懸案を不安定なまま先送りするのは、責任ある政治ではありません。
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